大判例

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東京高等裁判所 昭和34年(う)983号 判決

被告人 五十嵐保男 外一名

〔抄 録〕

論旨第二点法の解釈適用を誤つた違法があるとの主張について

被告人飛田が原判示第二の(一)掲記の実包八発と、同(二)掲記の実包二七発とを、昭和三四年一月五日頃から同月二二日頃までの間、いずれも同被告人の自宅において所持していたものであることは所論のとおりである。そこで右の所持が包括して単一の所持であるか、或は二個の所持であるかに付考察すると、凡そ数個の物体に対する所持の単複を決するに当ては、法の目的を考慮しつゝ、所持を開始するに至つた行為と、これを継続する容態とを諸般の事情に従つて仔細に考察し、社会通念に従つてこれを決すべきものであるところ、本件においては原判決挙示の対応証拠によると(一)の実包八発は同被告人が昭和三三年一二月二八日頃、水戸市西町の友人石川種松方で同人から拳銃に装填されたまま拳銃と共に受取り、自宅に持ち帰えつて爾来六畳居間の押入れの中の火鉢の中に隠匿しておいたもの、(二)の実包二七発は翌三四年一月五日頃、石川種松が茶筒に入れて被告人方に持参したのを受取り、そのまゝこれを自宅八畳押入れの内の扇風機の箱に隠匿しておいたものであることが認められるのである。かくの如く両者はその所持を開始した日時が相違し、且つ、隠匿保管の場所、及び容器をも異にしているのであるから、たとえある期間同一家屋内に保管してあつたとはいえ、本法の解釈上はこれを別個の所持と見るのが相当である。よつて原判決がこれを併合罪に問擬したのは正当であつて、論旨は理由がない。

(山本謹 渡辺好 目黒)

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