大判例

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東京高等裁判所 昭和34年(ネ)1950号・昭34年(ネ)2105号 判決

二、一〇五事件被控訴人・一、九五〇事件控訴人

第一審被告 東群太田トラツク株式会社 外一名

〔抄 録〕

次に、第一審原告義吉、同マサコがそれぞれ本件事故により受けた精神上の損害に対する慰藉料の請求につき判断する。第一審原告義吉が第一審原告あつ子の父、第一審原告マサコがその母であることは当事者間に争のないところである。しかしてまだ成年に達せず、第一審原告義吉、同マサコの親権に服する第一審原告あつ子が前段認定の如く事故による傷害を受け、医療をつくすも完全に回復せず身体障害が著明に存しかつ右障害は将来にわたり存続するものと認められることは、前段認定事実並びに原審における第一審原告義吉、同マサコ(第一・二回)の供述によつて認められ、右認定事実によれば、第一審原告義吉同マサコが本件事故により精神上多大の苦痛を受けたことは明らかであり、右精神上の苦痛は、被害者たる第一審原告あつ子の父母である第一審原告義吉、同マサコにとり、右あつ子が生命を害されたときにも比肩すべきものと認められ、かかる場合同第一審原告らは民法第七百九条第七百十条に基き自らの権利として慰藉料を請求しうるものと解するのが相当である。(昭和三一年(オ)第二一五号、同三三年八月五日最高裁判所第三小法廷判決参照)しかしながら、第一審原告あつ子の前段認定の過失は、第一審原告義吉、同マサコの精神上の苦痛に対する慰藉料の額を定める上に斟酌すべきであるから、第一審原告義吉、同マサコの本件事故による精神上の苦痛に対する慰藉料は各金五万円が相当であると考える。

(猪俣 坂本 安岡)

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