大判例

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東京高等裁判所 昭和34年(ネ)2220号 判決

債務者が利息制限法(昭和二十九年法律第一〇〇号)に定める制限を超過した利息及び損害金を任意に支払つた場合、その支払の約定は同法第一条第一項第四条第一項により無効であるから、利息損害金の弁済たる効力を有せず、それは本来債務者に返還さるべきであるけれども、特に同条第二項第四条第二項において返還の請求をなし得ない旨定めている故、元本債権にして存在するならば右支払額は当然元本に充当されるものと解するのが相当である。かく解することは同法第二条で貸借成立の際に天引した超過利息を元本の支払に充てたものとみなす旨規定している法意にも通じ、且つ高利金融に対し経済的弱者たる債務者を保護せんとする同法制定の趣旨に適合するものである。原判決理由に詳細説示する所は当裁判所の右見解と合致する。原審は、被控訴人が金融業者たる控訴人より金十万円を借用し、所定の返済期後約六ケ月を過ぎる頃迄の間に損害金として合計十六万七千百四十五円(外に執行準備費用として金八百五十五円)を支払つた結果、利息制限法第四条の制限を超える部分の損害金を凡て元本に充当されたものとして計算すれば、本件貸借上の債務は全部弁済により消滅し、なお且つ多額の過払となる故、右貸借につき作成された本件公正証書に基く強制執行を許すべからざるものと判定したのであり、その判断は、まことに相当である。

(二宮 奥野 大沢)

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