東京高等裁判所 昭和34年(ネ)2687号 判決 1963年3月29日
埼玉県狭山市大字上赤坂二一八番地
控訴人
小沢潤一
右訴訟代理人弁護士
中条政好
同
小川栄吉
同
上野忠義
東京都千代田区代官町二番地
被控訴人
関東信越国税局長
鳩山威一郎
右指定代理人
加藤宏
同
三宅貞信
同
植竹徳次郎
同
多賀谷恆八
右当事者間の所得金額審査決定取消請求控訴事件について当裁判所は次のとおり判決する。
主文
本件控訴を棄却する。
控訴費用は控訴人の負担とする。
事実
控訴代理人は、「原判決中控訴人敗訴の部分を取消す。(一)被控訴人が昭和二七年一月二五日付でした控訴人の昭和二三年分所得税に関する審査の決定のうち所得金額一四二、一九九円を超過する部分、(二)被控訴人が昭和二七年四月二九日付でした控訴人の昭和二四年分所得税に関する審査の決定のうち原判決で認容された以外の所得金額五三、一一八円五一銭を超過する部分はいずれもこれを取消す。訴訟費用は第一、二審とも被控訴人の負担とする。」との判決を求め、被控訴代理人は控訴棄却の判決を求めた。
当事者双方の事実上の主張及び証拠の関係は、控訴代理人において新たに甲第十六号証を提出し、乙第十二号証の三の撤回について異議はないと述べ、被控訴代理人において乙第十二号証の三を撤回する、甲第十六号証の成立は不知と述べたほかは、原判決事実摘示と同一であるから、ここにその記載を引用する。
理由
当裁判所は次の点を附加訂正するほかは原判決と同一の理由により控訴人の本訴請求中昭和二三年度分の審査決定の取消を求める部分は失当であり、また昭和二四年度分の審査決定の取消を求める部分は原判決が認容した範囲において理由があるがその余は理由がないものと判断したので、ここに原判決の理由の記載を引用する。
一、原判決書六枚目(記録八〇九丁)表七行目の「第五十一号証の一、二」の次に「及び右証人高橋作治の証言」を加える。
二、原判決書六枚目(八〇九丁)裏五行目の「養蚕収入が」の次に「少くも」を加える。
三、原判決書八枚目(八一一丁)裏八行目の「昭和二二年法律第二七号」の次に、「但し昭和二五年法律第七一号による改正前のもの」を、同一一行目の「法律第一五号」の次に「但し昭和二八年法律第一七六号による改正のもの」を、夫々加える。
四、原判決書一〇枚目(八一三丁)裏最終行の「指定地野菜」の次に「(前掲乙第四七号証参照)」を加える。
五、原判決書一一枚目(八一五丁)表二行目の「普通畑所得」の次に「(指定野菜以外の作物の畑による所得)」を加える。
六、原判決書一二枚目(八一五丁)裏最後から三行目の「乙第十六号証の一」の次に「同第十七号証」を加える。
七、原判決書一四枚目(八一七丁)表八行目の「昭和二十三年度分」を「昭和二十四年度分」に改める。
八、なお本件において、控訴人の昭和二三年度及び昭和二四年度の農業所得を算出するにつき、原判決認定の農業所得標準率の適用による推計方法を採用することが相当であることは原判決の説明するとおりであつて、控訴人提出の甲第十六号証によつても、これを原判決の示した当事者間に争のない事実及び採用の証拠に照して考えると未だ原判決の認定したところを左右するに足りるものとは認められない。
以上のとおり原判決は相当であつて本件控訴は理由がないからこれを棄却すべく、控訴費用の負担につき民事訴訟法第九五条、第八九条を適用して主文のとおり判決する。
(裁判長裁判官 村木達夫 裁判官 元岡道雄 裁判官 渡部保夫)