大判例

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東京高等裁判所 昭和34年(ネ)420号 判決

占領中総司令部の係官が直接管理事項であると間接管理事項であるとを問わず種々の問題につき見解を表明することの多々あつたことは今に尚顕著であるけれども、その事項が直接管理事項に属しないときは日本側は法的にこれに拘束されることがない。ただし、それは必ずしも実質上その事項が最終的に日本側の自由な決定に一任されたことを意味するものではなく、日本側が国内法上の理由で法的に総司令部の見解、要求を容れ難いことを主張するときは、総司令部は国内法を制定改廃してでもその要求に応ずべきことを求めることがあり、そのため日本政府に対する正式の覚書が発せられたことも少くなかつたことは顕著で、そしてその場合には前示昭和二十年勅令第五四二号等により国内法上適法に要求事項を実現する途はあつたのである。実際上は総司令部隷下の下部機構における係官より関係日本機関に対し急速かつ高圧的な要求が直接に行われ日本側の当該公務員においてもこれに抗し切れず、必要な法的措置を講ずる暇なく要求を容れて国内法上は許されない処分ないし行為をした例もないとはいえず(本件もその一例と解する。)、当時の情勢下では必ずしも当該公務員の右態度を咎めることはできないが、その場合の当該処分ないし行為の効力は、それが間接管理事項に属する限り、飽くまで国内法上の見地からこれを判断すべきであり、右のような場合に事実上当該公務員においてその要求を拒否することが困難であつたということを理由として、それは総司令部の超憲法的な命令に基く超憲法的効力を有するものと総ての場合を軽々に律することはできない。

(小沢 池田 中田)

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