東京高等裁判所 昭和34年(ム)11号 決定
民事訴訟法第六百八十一条第三項は、競落を許した決定に対する抗告は、同条第二項の規定に拘らず、再審の訴の要件を理由とすることができる旨を定めたに過ぎず、競落許可決定に対し、即時抗告のほか別に再審の訴の要件を理由とする抗告を、不服申立の一方法として認めた趣旨ではない。競落許可決定に対しては民事訴訟法第六百八十条所定の即時抗告又は同法第四百二十九条所定の再審の申立のほか不服申立の方法は存しないところ、本件抗告がそのいずれでもないことは、別紙本件抗告の理由に徴し明らかである。
(薄根 村木 元岡)
(抗告の理由)
一、横浜地方裁判所昭和三二年(ケ)第三二七号不動産競売事件に付同庁が昭和三四年三月二日言渡した競落許可に対し即時抗告の申立をなしたが、東京高等裁判所昭和三十四年(ヲ)第一四一、一四二、一四三、一四四号は右抗告を昭和三四年七月十日棄却した。
二、仍て右抗告に対しその法定期間内に特別抗告をなしたが、之と別に競売法第三二条第二項、民事訴訟法第六八一条第三項により茲に再審的抗告をなす。(井野博道著競売法論三七六頁)