大判例

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東京高等裁判所 昭和35年(う)2147号 判決

被告人 菅井昭三

〔抄 録〕

道路交通取締法第一五条が鉄道又は軌道の踏切を通過しようとする車馬に一時停止を命じているのは、車馬の操縦者が一時停止により自ら鉄道又は軌道を見とおし、踏切通過が絶対に安全であることを確認した上で通過させ、もつて踏切における事故を未然に防止させるためと解せられるのである。この一時停止の義務は、踏切に遮断機が設置されているか否かとは関係はない。けだし、遮断機が設置されている場合であつても、その遮断機の故障又はこれを操作する踏切警手の過失等により遮断機の解放中に汽車、電車等が踏切を通過することは絶無ではないからである。このことは、鉄道の経営者において設置するいわゆる接近ベル、駅附近の場内信号機、遠方信号機等についても同様である。道路交通取締法第一五条但書にいう信号機は、同法施行令第一条第四号によれば、人、機械又は電気により操作され、道路の交通に関し、進め、注意又は止れの信号を表示する装置を指すものであることは明らかであるから、所論のような踏切の遮断機、接近ベル、駅附近の場内信号機、裏線信号機や遠方信号機がこれに該当しないことは、いうまでもないところである。また、右遮断機の操作を行う踏切警手も、同法第一五条但書にいう信号人には当らない。

(尾後貫 堀真 堀義)

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