大判例

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東京高等裁判所 昭和35年(う)3077号 判決

被告人 越石周平 外一名

〔抄 録〕

所論は、原判決は本件ぱちんこ屋の景品買戻行為につき風俗営業取締法第七条第二項、第三条及び神奈川県風俗営業取締法施行条例(昭和三三年三月三一日神奈川県条例第四号)第二八条二の(四)を適用して有罪の言渡をしているけれども、右取締法第三条は条例により定め得べき制限を「風俗営業における営業の場所、営業時間及び営業所の構造設備等について」と規定しその範囲を規定しており、右に「等」とあるのは、その上に列記のものと同一範疇に属するものを指すものと解すべきところ、本件景品買戻の行為は、営業の方法に関するものであつて「営業の場所、営業時間及び営業所の構造設備」とは完全にその範疇を異にするものであつて、従つて右条例第二八条二の(四)の規定は右取締法第三条に基くものとはいえないのであるから原判決は右法令の解釈適用の誤を犯したものであり破棄を免れないと主張するのである。しかしながら、風俗営業取締法第三条は、所論のように狭義に解すべきではなく、都道府県がいわゆる風俗営業の場所、営業時間及び営業所の構造設備のみならず、広くこの種営業に関し、善良の風俗を害する行為を防止するために必要な制限を、条例をもつて定め得ることを規定したものと解するを相当とする(最高裁判所昭和三〇年一二月八日第一小法廷決定、集九巻一三号二六二二頁参照)ところ、所論神奈川県風俗営業取締法施行条例第二八条二の(四)は遊技場、(右取締法第一条第七号の営業)の営業者又は従業者は賞品として提供した物品を客その他の者から買戻してはならない旨を定めており、右のような遊技場の営業者又は従業者が景品を買戻す行為は、客その他の者をして景品と引換に直ちに現金を取得し得る結果を生ぜしめ著しく射こう心をそそる原由となるものであることは明らかであつて、善良の風俗を害する行為であるというべきであるから、右条例の規定を目して右取締法第三条所定の範囲を逸脱したものということはできない。それ故被告人等の本件買戻行為が右取締法第三条に基く右条例第二八条二の(四)に違反し、右取締法第七条第二項に該当するものとした原判決の法令の適用は正当である。

(長谷川 白河 関)

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