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東京高等裁判所 昭和35年(く)64号 決定 1960年6月15日

少年 E

主文

本件各抗告を棄却する。

理由

F及びM子の本件各抗告理由の要旨は、今後少年を監督し、少年が改心し、善良な少年になるように養育するから寛大な処置を願うというのであるが、少年保護事件記録及び少年調査記録を精査するに、少年は知的水準及び社会道徳意識が低く、分別もないところから、反社会的行動をなす危険性が強く、また、父母を初め親族知人に保護能力を有する者がなく、本件非行もその動機、罪質及び態様において軽視することができないから、相当期間少年に対し矯正教育を施す必要があるものと認められる。原決定は相当であり、本件抗告は理由がない。

よつて、各少年法第三十三条第一項に従い申立人三名の本件各抗告を棄却することとし、主文のとおり決定する。

(裁判長判事 山田要治 判事 滝沢太助 判事 鈴木良一)

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