大判例

20世紀の現憲法下の裁判例を掲載しています。

東京高等裁判所 昭和35年(て)12号 判決 1962年12月28日

被告人 塩井清従

決  定

(申立人氏名略)

右の者から同人に対する道路交通取締法違反被告事件につき当裁判所が昭和三十五年四月十八日言い渡した判決(昭和三十七年十一月八日最高裁判所第二小法廷にて上告棄却の決定あり同月十三日確定した。)に対し、裁判の解釈を求める申立をなしたので、当裁判所は、次のとおり決定する。

主文

被告人(申立人)に対する道路交通取締法違反被告事件につき、当裁判所が、昭和三十五年四月十八日言い渡した判決主文中、当審における訴訟費用は全部被告人の負担とするとある訴訟費用中には、当裁判所において選任した国選弁護人安藤宇一郎に支給した費用を包含する。

理由

所論の訴訟費用は、当審において生じた訴訟費用全部を指摘するものであるから、所論の国選弁護人に支給した費用を当然包含するものとする。

尚記録によれば、申立人は所論の弁護人を附するや否やの当裁判所からの照会に対し、これを求めない旨の回答をなしたこと、及び本件被告事件は刑事訴訟法にいわゆる必要的弁護事件でないことは、所論のとおりであるが、当裁判所は、右被告事件の審理に当り、被告人の権利保護のため必要であると認めて前記国選弁護人を選任したのであつて、これに要した費用は被告人をして負担せしめても何等違法でない。

よつて右の如く決定する。

(裁判官 三宅富士郎 東亮明 井波七郎)

自由と民主主義を守るため、ウクライナ軍に支援を!
©大判例