大判例

20世紀の現憲法下の裁判例を掲載しています。

東京高等裁判所 昭和35年(ネ)1195号 判決

本件解雇がいわゆる労務基本契約附属協定第六十九号第一条(a)項所定の保安解雇基準に該当するとの理由でなされたものであることは当事者間に争がない。しかしていわゆる保安解雇については米軍の最終決定に委ねられていることは右労務基本契約の規定するところであるが、該契約締結の基となつた日本国とアメリカ合衆国との間の安全保障条約第三条に基く行政協定の第十二条第五項及び第十五条第四項で駐留軍労務者の労働関係については日本国の法令の定めるところによることとなつていることにかんがみると、米軍が真実前記保安解雇基準に該当するものと認めて解雇決定をした場合ならば格別、しからずして、表面上の理由は、当該労務者に保安上の危険があるというにあるが、その実質的理由はその労務者が組合活動をなした点に存する場合には、その雇用者たる日本国政府は不当労働行為としての解雇の責を免れえないものと解せざるをえない。

(鈴木禎 中村 宮崎)

自由と民主主義を守るため、ウクライナ軍に支援を!