大判例

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東京高等裁判所 昭和35年(ネ)1512号 判決

六、然らば、本件建物及び別紙第一物件目録(二)記載の土地は、いずれも亡梅が被控訴人らと共同して相続したものであつて亡梅はこれら不動産につきそれぞれ三分の一の持分を有するものと認むべきところ、同人が昭和二七年七月二六日訴外玉置整三に対し、右建物を代金一〇〇万円、右土地を代金九〇万円以上合計代金一九〇万円で売渡し、右合計代金全額をその頃受領したことは当事者間に争いがなく、被控訴人らが昭和三三年一一月二八日の原審準備手続期日において亡梅の一般承継人である控訴人ら及び訴外下山秀子に対し右売渡を追認する意思表示をしたことは、本件記録上顕著な事実である。

従つて、亡梅の前示売渡は、被控訴人らの持分につき無権利であつたに拘らず、右追認により当初に遡つて完全に有効となつたものと解すべく(最高裁判所昭和三四年(オ)第五〇四号、同三七年八月一〇判決、民集一六巻八号一七〇〇頁参照)、亡梅は、当時その受領にかかる代金合計一九〇万円中自己の相続分三分の一の割合にあたる部分を控除した残額金一二六万六六六六円(円未満切捨)を、被控訴人らの損失において利得したものといわなければならない。けだし、右追認は、亡梅の前記土地建物売却権原の欠缺を補完する効果を有するに止まり、右梅に前示代金中自己の相続分を超える部分をも自己の所得として保有し得べき法律上の原因を与えるものでないこと勿論であるからである。

(菊池 川添 花淵)

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