大判例

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東京高等裁判所 昭和35年(ラ)387号 決定

抗告人の主張は、結局において、本件債務名義である原告盛岡順一、被告海老名四郎外一名間の東京地方裁判所昭和二十八年(ワ)第七五五号建物収去、土地明渡請求事件についてなされた原告勝訴の確定判決につき、抗告人は口頭弁論終結後の承継人に当らないということを前提とするものであるから、右確定判決に対する承継執行文附与についての実体的の前提要件の欠缺を主張することを前提としているものにほかならない。このような事由は、民事訴訟法第五二二条による執行文附与に対する異議又は第五四六条に基く執行文附与に対する異議の訴によつて主張すべきものであつて、建物収去命令に対して独立の不服の事由として主張することは許されないものと解するのを相当とする。なぜなれば、執行文の附与が取消されれば、その執行方法にすぎない建物収去命令の執行も当然できなくなるものであるが、かりに収去命令のみが取消されたとしても、抗告人に対する債務名義は当然その効力を失うものではないから、建物収去命令それ自体に関する事由でなければ、建物収去命令に対する不服申立は許されないものである。

(村松 伊藤 杉山)

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