東京高等裁判所 昭和35年(ラ)478号 決定
案ずるに、抗告人の本件抗告の理由の要旨は、抗告人と安藤鶴太郎との間に成立した抗告人主張の裁判上の和解調書には抗告人は別紙目録記載の土地をその地上の建物を収去して昭和三十五年四月三十日までに明渡すことになつているが、事実上は安藤鶴太郎の代理人弁護士永津勝蔵において右期限後も引続き右土地をその地上に右建物を存置したまま抗告人に使用させることを承諾していたものであるから本件収去命令申請は許さるべきではないというにあるところ、民事訴訟法第七百三十三条にもとずく手続においては裁判所は本案請求に関する審査をしないたてまえであるから、右のような事由は請求に関する異議の訴により主張するのは格別右手続においてはこれを主張することを得ないものというべきである。
(梶村 岡崎 堀田)