大判例

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東京高等裁判所 昭和36年(ネ)1063号・昭36年(ネ)564号 判決

なお、前記のように佐藤きんが小林喜代助方に賃料支払のため持参した前記小切手は現金と同一視し得べき銀行振出の小切手または銀行の支払保証のある小切手ではないから、それが被控訴人ないしその代理人たる小林喜代助によつて任意に受領されないかぎり、未だ債務の本旨に従つた履行の提供があつたものとはいえないし、他の現実の提供を必要としない特段の事情の認められない本件においては、佐藤きんは未だ右小切手金の限度においても賃料債務遅滞の責を免れることはできない。殊に前示供託は、昭和三一年六月分以降の賃料については、増額前の賃料額によつたものであるから、右供託は結局債務の本旨に従つた適法な履行の提供を欠くものとして弁済の効果を生ぜしめるに由ないものといわなければならない。

(奥野 野本 真船)

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