大判例

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東京高等裁判所 昭和37年(う)1104号 判決

被告人 福沢民男 外二名

〔抄 録〕

次に所論の第二は、原判決は第二事実として被告人福沢、同中沢の両名が原審相被告人ら(宮上勝次を除く)竹下宣治外六名と共同して原判示鈴木良治、長岡弘、松永弘らを全員で脅迫した事実を認定し、暴力行為等処罰ニ関スル法律第一条第一項を適用しているが、被告人福沢は脅迫の意思はなく、脅迫的言辞を用いたこともなく、また原判示九名の全員が原判示のように脅迫的行為をした事実もないから、原判決の認定は事実を誤認したものである。そして右法条の数人共同して脅迫行為をするとの規定は、数人が共同実行意思のもとに全員が実行行為をする趣旨の規定であるが、本件においては原判示九名全員が脅迫行為をしたのではないから同法条の構成要件はみたされていないというのである。

しかしながら暴力行為等処罰ニ関スル法律第一条第一項の数人共同して脅迫行為をするとの規定の趣旨は、その数人が共同して脅迫する意思のあることは必要であるが、数人の全員が脅迫行為を実行する必要はなく、全員の中二名以上の数名が脅迫行為をした場合においても、脅迫行為を実行しない他の者を含めた全員について同法条の脅迫罪が成立するものと解するを相当とするのみならず、原判決に挙示する各関係証拠によれば、被告人福沢、同中沢及びその他の者の犯意の点を含め原判示第二の摘示事実はすべてこれを認めることができる。それ故原判決には所論のような事実誤認等の違法はなくこの点の論旨も理由がない。

(久永 上野 赤塔)

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