大判例

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東京高等裁判所 昭和37年(う)67号 判決

被告人 関茂 外一名

〔抄 録〕

論旨は、保険証書は刑法にいわゆる財物ではないから、その交付を受ける所為につき詐欺罪の成立する余地がない旨主張する。しかし、保険証書は、保険契約の成立及び内容を明らかにする証拠証券であつて、もとより財産権の目的たる一種の財物にほかならないから、詐欺罪の客体たりうると解するのを相当とする(大正十二年十二月二十五日大審院判決、刑集二巻千二十四頁参照)。したがつて、原判示のように欺罔手段によつて保険証書の交付を受けた被告人広瀬らの所為は、詐欺罪を構成するものというべきである。同被告人が保険証書の交付を受けるについて第一回の保険料を支払つた事実は、右罪の成立を左右するものではない。

(坂間 栗田 有路)

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