大判例

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東京高等裁判所 昭和37年(う)705号 判決

被告人 赤川吉太郎

〔抄 録〕

所論は原判示第一については、判決に影響を及ぼすことの明らかな事実の誤認があるといい、その理由として、本件建物所在地区が住居地域に指定されているということは、被告人赤川を初めとして本件建物の用途変更に関係した林専、風間喜代次らにおいて、その当時は知らなかつたのであり、従つて本件については公訴事実の如き建築基準法違反の犯意はないというべきであるのに、原審が被告人赤川に対して有罪の事実を認定したのは不当であるというのである。

よつて、按ずるに、原判決挙示の証拠によれば、被告人赤川らが原判示指定住居地域内に公衆市場用として建築された建築物につき、所定の許可を受けないで、原判示の如き原動機を設置し、自動車の吹付塗装等の工場用に用途変更をした事実は、これを認めるに十分であるというべきであるが、被告人らが本件建物所在地区がいわゆる住居地域に指定されているということを認識していたことは、これを認めるに足る証拠が十分であるとはいえないから、原判決は被告人の建築基準法違反の犯意の認定につき事実の誤認をしている疑があるというべく、なおこの点については当審における事実取調の結果に徴しても、被告人に右犯意のあつたことの確証を得ない次第であるから、原判決にはひつきよう以上の点に関し判決に影響を及ぼすことの明らかな事実の誤認があるものといわざるを得ず、弁護人の所論はその理由があることに帰するので、原判決中被告人赤川に関する部分は爾余の論旨につき判断をするまでもなく、破棄を免れないものというべきである。

(東 多田 井波)

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