東京高等裁判所 昭和37年(ネ)1916号 判決 1962年11月01日
控訴人(原告) 武居権一郎
被控訴人(被告) 長野県知事
主文
本件控訴を棄却する。
控訴費用は控訴人の負担とする。
事実
控訴人は「原判決を取消す。被控訴人が昭和二十四年七月二日本件土地に対してなした買収処分は無効であることを確認する。訴訟費用は第一、二審共被控訴人の負担とする。」との判決を求め、被控訴代理人は「本件控訴を棄却する。」との判決を求めた。
当事者双方の事実上の主張は控訴人において原判決二枚目表三行目より四行目にかけて荻久保一郎とあるは荻久保久一郎の誤記であるから訂正すると述べ、当事者双方において、本件土地につき、原告控訴人、被告国との間に東京地方裁判所昭和三十二年(ワ)第四、一八四号土地所有権確認請求事件として、所有権確認請求訴訟が同裁判所に係属中であることは認める。と述べた外原判決の事実摘示欄に記載されたとおりであるからここにこれを引用する。
理由
当裁判所も本訴は東京地方裁判所昭和三十二年(ワ)第四、一八四号土地所有権確認請求事件と請求原因を同じくし、当事者を同じくすることにより民事訴訟法第二百三十一条の重複起訴の禁止規定に反するものであるから不適法として却下すべきものとする。そしてその理由は原判決がその理由に説示するところと同一であるから、こゝにこれを引用する。
以上説示のとおり本訴は不適法であつて却下を免れない。これと同旨に出た原判決は正当であり、本件控訴は理由がない。
よつて民事訴訟法第三百八十四条、第九十五条、第八十九条に則り主文のとおり判決する。
(裁判官 谷本仙一郎 堀田繁勝 野本泰)