大判例

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東京高等裁判所 昭和37年(ネ)2020号 判決

証拠等によると政府は、昭和二三年一〇月二日を買収の時期とする農地買収計画に基いて控訴人所有の旧土地、公簿反別七畝一八歩を自創法第三条により買収した上(右買収令書は、同二四年二月二七日控訴人に交付された。)、同じく昭和二三年一〇月二日を売渡の時期とする農地売渡計画に基いて右土地の一部を同法第一六条により被控訴人に売渡したが、右売渡計画の樹立に当つた所轄農地委員会は、被控訴人の小作部分は別紙図面表示の(ニ)(チ)(リ)(ハ)(ヘ)(ホ)(ニ)該当地点を順次結ぶ直線で囲まれた地域(控訴人主張の地域)であると誤認し、右誤認に立脚して右売渡計画を樹立したものであるのみならず、同委員会は自作農創設特別措置登記令に基き神奈川県知事がなすべき前示売渡処分に伴う分筆並に所有権移転登記の嘱託に関する事務を事実上取扱うにあたつても、右誤認に基き一切の書類を作成した結果、右誤認された地域が被控訴人所有の「同所同番ノ一二四、畑三畝二四歩」(前示旧土地の公簿段別の二分の一)として公簿並びに公図に登載されるに至つたものであることを肯認できる。

以上の事実からすれば、前示農地売渡処分並びにこれに伴う分筆、移転登記等は、その根本に小作部分の範囲認定の過誤を蔵するとはいえ、前示旧土地のうち別紙図面表示の(ニ)(チ)(リ)(ハ)(ヘ)(ホ)(ニ)該当の各地点を順次連絡する直線で囲まれた地域を分割した上これを被控訴人に売渡す意思のもとに、該地域につき、所要の手続を履践して行われたものであつて、これにより旧土地は別紙図面表示の(ニ)(ホ)(ヘ)(ハ)該当の各地点を順次連結する直線を境として同所同番の九〇、畑三畝二四歩と同所同番の一二四、畑三畝二四歩に分割され、後者が被控訴人に帰属するに至つたものと解すべきである。被控訴人としては、前示過誤を理由として右売渡処分そのものに不服を申立てるのは格別、これをしないで右分筆の結果生じた両地の境界を争うことは許されない。

(菊池 川添 山田)

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