東京高等裁判所 昭和37年(ネ)2447号 判決
建物の公売処分は敷地の利用関係ないしその権利の存否と関係なく建物を現況のまゝ公売するものであるから、国はその公売に当り敷地の利用関係につき調査公告をする必要がない。また、本件においては借地権のある建物としてなされたものであるとの主張は理由がなく、控訴人が借地権のある建物として公売されたものであると誤信して競売に参加したとしてもこれは動機の錯誤に過ぎず、要素の錯誤ないし表示の錯誤ということはできない。また、かゝる誤信を有したことは控訴人の重大な過失に基づくものとみられるから、かりに法律行為の要素の錯誤とするも、意思表示の無効を主張することもできない。
(千種 渡辺一 太田)