大判例

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東京高等裁判所 昭和37年(ネ)2648号 判決

控訴人は右の意思表示は民法第九〇条の趣旨に則り無効であるというが、仮に右代物弁済当時の本件不動産の価額が空家の状態であつたとすれば控訴人主張のように一、三〇〇万円を下らないものであつたとしても当時右不動産中の本件家屋は右小池近治及び訴外小池商店がこれに居住占有していたことは弁論の全趣旨によりこれを認めうるところであるから、これを勘案すれば取引価額は更に大幅に減少するものと考えられるのみならず、債権額(元金四八三万一、〇二九円及び右に対する昭和三六年一〇月一日以降昭和三七年六月七日迄の日歩六銭の割合による損害金)と代物弁済の目的物の価額との間に右の程度の開きがあることを以て直ちに右の代物弁済による所有権取得が公序良俗に反するものとみることは困難である。控訴人の右の点に関する抗弁は採用しがたい。

(谷本 堀田 野本)

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