東京高等裁判所 昭和37年(ネ)2711号 判決 1964年6月11日
東京都江東区深川町二丁目七番地
控訴人
小野政代
右訴訟代理人弁護士
伊藤幹一
同区深川毛利町一八番地
被控訴人
江東税務署長
柏田亮
右
指定代理人 真鍋薫
同
山口三夫
同
山木栄吉
同
岩本親志
右当事者間の贈与税再調査決定取消請求控訴事件について当裁判所は次のとおり判決する。
主文
本件控訴を棄却する。
控訴費用は控訴人の負担とする。
事実
控訴代理人は「原判決を取り消す。被控訴人が昭和三五年二月四日附江東所産特第五号により控訴人の昭和二九年度分贈与税に関する再調査請求についてなした決定を取り消す。訴訟費用は第一、二審とも被控訴人の負担とする。」との判決を求め。被控訴代理人は控訴棄却の判決を求めた。
当事者双方の事実上の主張および証拠関係は左記一、二、三のとおり附加するほか原判決事実の部に記載されているとおりである(ただし、同記載中、原判決一〇枚目裏初めから六行目に「建物、硝子、」とあるのは「建具、硝子、」の誤記と認める)から、これをここに引用する。
一、控訴代理人の主張
控訴人から被控訴人に対し再調査の請求をしたのは昭和三四年一二月二五日であり、この請求に対する被控訴人の本件決定が控訴人に告知されたのは通知書日付の日である昭和三五年二月四日であり、右決定に対し控訴人から東京国税局長に対し審査の請求をしたのは同年三月五日である。
二、被控訴代理人の主張
右主張事実は認める。
三、新たな証拠関係
控訴代理人は当審証人小野健太郎の証言を援用した。
理由
当裁判所は更に本件につき仔細に検討を加えたが結局控訴人の本訴請求を認容し難いものと判断する。その理由は当審証人小野健太郎の証言中原判決理由の説示と牴触するところは措信できない、と附加するほか、原判決の理由と同じであるから、これをここに引用する。
右の次第で本訴請求は失当として棄却を免れず、これと同趣旨の原判決は相当であつて、本件控訴は理由がない。
よつて、民事訴訟法第三八四条、第九五条、第八九条を適用して主文のとおり判決する。
(裁判長判事 奥野利一 判事 野本泰 判事 海老塚和衛)