東京高等裁判所 昭和37年(行ナ)25号 判決
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〔判決理由〕(本件審決を取り消すべき事由の有無について)
二、本願発明と引用例(注、昭和二九年特許出願公告第三、〇七四号公報)に示された技術内容とを対比した場合、本願発明が、(1)バケット底板の先端を屈曲した点及び(2)バケット底板及びバケット側壁を鎖片の連結線から離して取り付けた点において、引用例と相違する(他は一致する。)ことは、本件当事者間に争いがないところ、原告らは、本願発明は、これら(1)及び(2)の構成をとつたことにより、原告ら主張のような独特の作用効果を奏するのであるから、本件審決が本願発明と引用例とを発明として同一であるとしたことは、判断を誤つたものである旨主張するが、原告らの右主張は、理由がないものといわざるをえない。すなわち、訂正明細書、訂正図面及び訂正書によれば、本願発明においては、バケット屈曲先端部によりバケット内に土砂を確実に支持し、その土砂を底板の上端位置において散乱させないように確実有効に後方に放出できるという作用効果を挙げうることを認定しうるところであるが<証拠>によれば、右(1)及び(2)の構成は、従来周知であるばかりでなく、これら従来から周知のバケットの彎曲底部も、バケット収容物の放出に際して、同様の(あるいは、程度の差はありうるとしても)作用効果を挙げうるものであることは、右に示された浚渫機等の構造に徴し容易に窺知しうるところであり、これを左右するに足る明確な証拠は存しないのであるから、本件審決が、本願発明をもつて、その構成上の一応の差異にかかわらず、そのもたらす作用効果に格別のものがない事実から、結局、引用例と同一発明とみるべきものとしたことは相当であり、この点に判断を誤つた違法は存しないものといわざるをえない。
(むすび)
三、叙上のとおりであるから、その主張の点に判断を誤つた違法のあることを理由に本件審決の取消を求める原告らの本訴請求は、理由がないものというほかはない。よつて、これを棄却する。
(三宅正雄 武居二郎 友納治夫)