大判例

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東京高等裁判所 昭和37年(行ナ)74号 判決

一、原告両名が、その主張のとおり、訴外新谷武男とともに、「伸縮式アンテナポール」の考案につき実用新案登録出願をし、拒絶査定を受けたところ、原告らのみでこれに対する抗告審判の請求(昭和三三年抗告審判第二八五号)をしたので、昭和三七年四月二〇日、原告ら主張の理由により右抗告審判の請求を却下するむねの審決がされ、同年五月一二日その謄本が原告らに送達されたことならびに右審決後の同月三一日にいたつて前記新谷から原告両名に本件実用新案登録を受ける権利の共有持分を譲渡したむねの譲渡証および出願人名義変更届が特許庁に提出されたことは、当事者間に争がない。

二、原告らは、前記登録を受ける権利の共有持分の譲渡は本件抗告審判請求期間経過前に行われたものであるから、原告らのみでした本件抗告審判の請求は適法であることを失わない、と主張する。

しかし、かりに原告ら主張のように持分の譲渡が行われたとしても、出願人名義変更の届出がないかぎり、本件につき適用のある旧実用新案法(大正一〇年法律第九七号)第二六条および旧特許法(大正一〇年法律第九六号)第一二条第三項により,特許庁に対して主張できないものというべく(昭和三六年八月三一日最高裁判所第一小法廷判決、民集一五巻七号二六七頁参照)、しかるに本件において本件審決後である昭和三七年五月三一日にいたつて、はじめて出願人名義変更の届出がされたものであることは、前記のとおり当事者間に争のないところであるから、本件抗告審判請求は共同出願人である新谷武男を欠除してなされた不適法なものであるとした本件審決は相当であるといわなくてはならない。

三、本件審決にはなんらこれを取り消すべき違法の点がなく、その取消を求める原告の請求は、爾余の争点につき判断するまでもなく、理由のないものであることが明らかであつて、とうてい棄却をまぬがれない。

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