東京高等裁判所 昭和37年(行ナ)80号 判決
一、原告主張の実用新案登録出願拒絶査定に対する抗告審判請求(昭和三六年抗告審判第三五〇七号事件)について、昭和三七年五月二一日に右請求は法定期間経過後のものであるとの理由で、「本件抗告審判の請求を却下する。」との審決がされ、同年六月三日にその謄本が原告代理人に送達されたことは、当事者間に争がない。
二、成立に争のない甲第六号証(大阪中央郵便局長の証明書)に成立に争のない甲第一、二号証、乙第一号証(本件審決およびこれを封入して原告代理人に送達された封筒、特許庁出願課発送係長の証明書)をあわせてみれば、昭和三六年一一月一〇日東京中央郵便局受付引受番号ニ58号書留郵便をもつて右出願代理人であつた原告代理人あてに発送された本件抗告審判の審決の謄本は(右発送の事実については当事者間に争がない。)昭和三六年一一月一三日原告代理人に送達された事実を認めることができる。
成立に争のない乙第二号証(大阪中央郵便局昭和三七年三月一〇日附郵便物配達証明書)には、前記郵便物は昭和三六年一一月一二日に受取人である原告代理人に配達された旨記載されているけれども、前記甲第六号証によれば、右証明書に記載した「昭和三六年一一月一二日」は誤記であり、前記郵便物の正確な配達年月日は昭和三六年一一月一三日であることが明らかであるから、これをもつて前示認定を左右するに足りない。
三、本件抗告審判の請求が昭和三六年一二月一三日に提起されたことは、当事者間に争がないから、その不服の対象である拒絶査定が原告代理人に送達された前記の日から旧特許法第一〇九条本文所定の三〇日の期間内に提起されたものというべく、これを法定期間経過後の不適法な請求であるとの理由で却下した本件審決は結局違法な審決であつたといわなくてはならない。