東京高等裁判所 昭和38年(う)2221号 判決
被告人 栃木安三郎
〔抄 録〕
弁護人の控訴趣意二(法令適用の誤の主張)について。
戸別訪問の罪が成立するためには、選挙に関し投票を得若しくは得しめ又は得しめない目的をもつて選挙人を戸別に訪問すれば足り、必ずしもその選挙人に来意を通じ、若しくは面接することを必要としないから、小林林造の司法警察員に対する供述調書及び林喜一郎の検察官に対する供述調書に現われているところの、被告人が小林林造方を訪問した際に同人方で留守居をしていた同人の老母が聾者で、来意を通ずることができず、また、塚越よしゑ方を訪問した際同人方では子供が留守居をしていて、選挙人である家人に面接することができなかつたという事実は戸別訪問の罪の成否に影響を及ぼさない。したがつて、原判決には所論のような法令の解釈適用を誤つた違法はないものというべきである。論旨は理由がない。
(坂間 栗田 有路)
注 本件は量刑不当で破棄