東京高等裁判所 昭和38年(ネ)1092号 判決
もつとも控訴人は本件家屋の当初の賃借人であり、株式会社メトロ沖山に対して形式的には転貸人となり、またその後はメトロ株式会社に対してこれを使用せしめていた点で転貸人としての地位を有し、その意味で一の間接占有を有したものと解されないことはないが、本件の如き家屋明渡の強制執行においては、執行債務者の当該不動産に対する占有を強制力にもとずいて排除し、執行債権者にその占有を得しめるのが趣旨であるから、その対象はあくまで直接実力行使の目標たるに適する現実の支配すなわち直接占有にあることは明らかであつて、間接占有の如きは場合によつてその権原たる賃借権等にもとずきあらためて執行債権者に対し当該目的物の引渡又は損害賠償の請求を許す理由とはなつても、承継執行文付与の当否における承継の有無とは関係がない。
(浅沼 間中 柏原)