東京高等裁判所 昭和38年(ネ)2333号 判決
被控訴人が昭和三五年一月一九日、製鉄用各種ロール等の製造販売を営む控訴会社に雇傭され、その江戸川工場内第二機械工場第六工作の仕上工として勤務していたところ、昭和三七年一〇月二六日控訴会社から解雇の意思表示を受けたことは当事者間に争いない。
しかるに、控訴人が昭和四四年一月二八日被控訴人に対し本件解雇の意思表示を撤回する旨告知したこともまた、当事者間に争いがない。
すると被控訴人は、反対の事情のみるべきもののない本件においては同日以降控訴人の従業員としての地位を回復し、控訴人によりその従業員としての取扱いを受けているものと認めるのが相当であるから、従業員たる地位の保全及び賃金支払を内容とする仮の地位を定める本件仮処分申請は、すでに雇傭関係存在確認請求という被保全権利を失つたものというべく、しかも保証をもつてこれに代えるを相当とする場合でもないので、被控訴人の本件仮処分申請はこれを却下するを相当とする。
(浅沼 岡本 田畑)