大判例

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東京高等裁判所 昭和38年(ネ)594号 判決

進んで控訴人の代物弁済の予約完結の意思表示の効力について調べる。一般に債権者のための代物弁済の一方の予約は債権担保の意義をもつものであるから、一部弁済があつただけで債権者が予約完結権を失うと解することは、その担保作用を抹殺することになり、相当でないので、特段の事情がない限り、債権者は一部弁済をうけても、代物弁済の予約完結権を行使できるものと解すべきである。但し元来債務額と物件(代物弁済の予約の目的物件以下同じ)とは等価関係にたつものとして代物弁済の予約が結ばれたのであるから、既に弁済等により債務が一部減少していたときは、債権者は代物弁済によつてその額だけ不当に利得したことになるので、これを物件提供者に返還する義務を負うと解するのが相当である。

(岸上 中西 室伏)

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