大判例

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東京高等裁判所 昭和38年(ラ)432号 決定

記録によると、抗告人が相手方に対する東京法務局所属公証人古橋浦四郎作成昭和三六年第二、二九六号債務弁済契約公正証書の執行力ある正本にもとづき昭和三六年六月一〇日に当時の相手方の住居である東京都文京区富坂二丁目二〇番地において別紙第二目録記載の物件を差押えたこと、次いで相手方からされた請求異議の訴の提起に伴う強制執行停止申立により東京地方裁判所が昭和三八年七月一六日付で原決定を発したことが明らかである。

ところで、抗告人はまず、原決定が発せられた当時、差押物件の保管場所である前記相手方の住所地には、相手方は居住しておらず、差押物件も存在しなかつたから、右決定は違法であると主張し、東京地方裁判所所属執行吏深谷兵馬作成名義の昭和三八年七月八日付調書及び同裁判所執行吏合同役場作成名義の同月一一日付通知書によると、抗告人が委任した執行吏が昭和三八年七月八日本件差押物件を競売するため、その保管場所である東京都文京区富坂二丁目二〇番地の住家に臨んだところ、すでに相手方は他に転出し、差押物件も同所に存在せず、第三者が右家屋に居住していた事実がうかがわれるけれども、債務者の住所が差押当時と変つたり、差押物件が他へ移されたというようなことがあつたとしても、当然には強制執行は失効せず、なお続行される可能性は残されているから、その停止を求める意味はあるわけである。

(新村 市川 吉田)

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