東京高等裁判所 昭和39年(ツ)118号 判決
上告人は、被上告人のなした本件契約解除の意思表示は権利の濫用であると主張するが、原判決の判示しているように、上告人は、本件契約解除の意思表示をなす以前においても、二回にわたり相当長期間にわたつて賃料を延滞して、催告並びに契約解除の意思表示がなされ、交渉の結果賃貸借契約を継続させた状況で、賃料の支払も遅滞し勝であり、本件催告の賃料も相当長期にわたつていたのである。そうだとすれば、上告人主張のように本件の催告期間が僅か二日間であり、期限未到来の一ケ月分をも催告金額に含んでおり、さらに催告金額の提供が一日おくれたに止まるとしても、本件の催告及び契約解除の意思表示は、原判決の判示しているように、権利の濫用であるとは認めることはできないから、論旨は理由がない。
(村松 江尻 杉山)