東京高等裁判所 昭和39年(ツ)32号 判決
また、土地賃借権の譲渡がなされた場合において、右譲渡を承諾しない賃貸人が右無断譲渡を理由として契約を解除することができるのは当然として、右譲渡後において譲渡人に賃料不払等債務不履行の事実がある場合に、無断譲渡を理由とはせず、債務不履行を理由とする解除ができるかどうか。そのいずれを選択するかは全く賃貸人の自由であるかどうかについては、後の場合には、譲渡人が買取請求権の行使ができなくなることになるから、一概にいえないとしても、賃貸人が賃借人から正常に賃借権を譲渡した旨を知らされず、それに対する承諾をも求められないような状態のもとで、賃借人が賃料を支払わない事実がある場合においては、賃借人は右不払を理由として解除されてもやむを得ないと解するを相当とする。
(村松 江尻 杉山)