東京高等裁判所 昭和39年(ネ)1636号 判決
ところで本件は、被控訴人の申請により仮執行宣言付支払命令が発せられたことに対し控訴人より異議の申立があつて通常訴訟として原審に係属したものであるから、原審が被控訴人の請求を認容するときは仮執行宣言付支払命令を認可する旨宣言すれば足りるのである。然るに原判決は右の宣言をなさず主文第一項において控訴人に対し前記貸金残額とこれに対する遅延損害金の支払を命じ、同第二項において控訴人に対し訴訟費用を負担させ且つその理由中において「仮執行の宣言は改めて認可するまでもなく、なお維持されているので本判決は反執行宣言を付さない」旨説示している。然しその判決の趣旨は被控訴人の請求を認容して、仮執行の宣言につき支払命令を維持すべき旨を宣言したものに外ならないと解されるから、原判決は結局相当といわなければならない。
よつて本件控訴は理由がないからこれを棄却し、訴訟費用の負担につき民事訴訟法第九五条、第八九条を適用して主文のとおり判決する。
(奥野 野本 安国)