東京高等裁判所 昭和39年(ネ)2275号 判決
被控訴人は、本訴において控訴人両名に対し登記上利害関係を有する第三者であるとして昭和三六年六月十九日になされた所有権移転請求権保全の仮登記に基づく本登記についての承諾を訴求しているのであるが、前認定のとおり、控訴人金景俊名義で同年七月一三日になされた抵当権設定登記及び所有権移転請求権保全仮登記については、いずれもその後同年一〇月一九日に至り控訴人金麗植名義に移転の附記登記がなされ、現に同控訴人名義として登記されているのである。そしてかかる場合、現に効力を有する登記の名義人である控訴人金麗植は、不動産登記法第一〇五条第一項、第一四六条第一項の「登記上利害ノ関係ヲ有スル第三者」に該当し、被控訴人の仮登記に基づく本登記を妨ぐべき事由の主張立証がない限り、承諾義務を負うものと解すべきであるから、同控訴人に対する本訴請求は正当であるが、現に登記名義人でない控訴人金景俊は右の「第三者」に該当せず、同控訴人名義になされた前記登記は、同法第一〇五条第二項により登記官吏の職権をもつて抹消すべきものと解するのが相当であるから、同控訴人に対し承諾を求める被控訴人の請求は、その利益がないことに帰着する。
(村上 吉田豊 柏原)