大判例

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東京高等裁判所 昭和39年(ネ)2971号 判決

控訴人の時効の抗弁について考えるに、〔証拠〕並びに弁論の全趣旨を綜合すると、本件継続的取引にあつては、本来個々の取引の都度その代金を支払う約定であつたが、ほぼその当初から約定どおりの履行がなされず、自然と遅くも昭和三六年一月分から、各月末迄にその月分を支払つてもよいものとされたこと、控訴人は、前記二に認定のような内容の本件継続的取引の中止された直後である昭和三六年七月二九日から同三八年一〇月一〇日迄の間に、被控訴人からする総残債務の請求に対し、別表該当欄記載のとおりの支払をなしており、その各支払は、右取引中における特定の個々の取引を指定してその代金として支払われたものではなく、また、控訴人としては、たとい被控訴人の示す残債務額を全面的に納得した上でなしたものではないにしても、兎も角も、その当時真正に残つている債務全体に対する内入れとする趣旨で右の各支払をしたものであることが認められ、右認定を覆すに足る証拠はないから、これによれば、控訴人は右各支払の都度その当時における総残債務を承認したものと認むべきである。そして本件の場合、たとい個々の取引ごとに代金債権が発生し、夫々について民法一七三条一号による二年の消滅時効が進行するものであるとしても、前記二に認定の個々の取引の日時と右各支払時期との関係に照らせば、右各支払の都度本件継続的取引における総残債務の消滅時効は適法に中断されたものと解されるのであつて、その最終中断時である昭和三八年一〇月一〇日より本訴提起時と看做される支払命令申立時(昭和三九年五月一二日であること記録上明らかである)迄に二年を経過していないことは明白であるから、右総残債務の時効はいまだ完成しておらず、控訴人の前記主張は採用できない。

(岸上 田中 斎藤)

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