大判例

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東京高等裁判所 昭和39年(ラ)151号 決定

及び右工場備附けた機械器具一式(工場抵当法第三条による目録の提出があつたものであるが、その内容はここでは省略する。)

と記載されていることが明らかである。

しかして、右表示は本件競売申立書に添付された不動産登記簿謄本及び本件競売開始決定における目的不動産の表示と一致するが、本件競売につき評価を命ぜられた鑑定人加賀田達二作成の昭和三九年一月九日付不動産評価書(本件記録第五〇丁)によれば、「実測の結果、評価の基準」欄に、工場及居宅木造平家建本棟二五坪、下家五坪、計三〇坪、屋根本棟セメント棟葺、下家亜鉛メツキ鉄板葺、外部下見板張り内部壁天井共ベニヤ板張り、建物は相当年数を経ているが、五、六年前改装の上使用しているものと思われる旨記載されており、更に当審において抗告人が新潟市長作成の昭和三九年四月一〇日付証明書(本件記録第七五丁)、同市長作成の昭和三九年四月一七日付固定資産価格等決定(修正、更正)通知書(本件記録第七七丁)及び昭和三九年五月八日付不動産登記簿謄本(本件記録第八五丁)によれば、本件不動産については昭和三六年増改築がなされ、それに基き昭和三九年四月二五日、

新潟市関屋字金鉢山上二三番割二七五番地一九

(昭和二八年一二月二日敷地番変更)

家屋番号関屋二七五番一九(昭和三九年四月二五日変更)

一、木造セメント瓦葺二階工場兼居宅 一棟

建坪一階三〇坪一合三勺、二階一二坪五合

附属建物

コンクリートブロツク造亜鉛メツキ鋼板葺平家建物置一棟

建坪 八合九勺

と変更登記されたことが認められる。されば、本件競売開始当時において既に本件不動産は右変更登記の表示と同一の種類、構造、坪数を有していたのにかかわらず登記簿面は右増改築前のままになつていたため、右登記簿面の表示及びこれに基いてなされた前記競売期日公告における目的不動産の表示と現状とは、その種類、構造、坪数において著しく相違していたものというべきである。

しかして、本件の如く競売不動産の公告の記載と現状とがその態様坪数において著しく相違する場合において、単に、現状と一致しない登記簿上の種類、構造、坪数のみを公告に記載し、この外実測として現在の種類、構造、坪数を併記しない競売期日の公告は、競売期日の公告に不動産の表示をなさしめることにより、競売の目的不動産を特定してその同一性を認識せしめるとともに、できる限り当該不動産の実質的価値を知らしめ、その競買申出にそごなきを期せんとする競売法第二九条第一項、民事訴訟法第六五八条第一号の趣旨に反するから、結局前記競売期日の公告は同法条の要求する不動産の表示を欠くものというべきである。

(菊地 川添 山田)

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