東京高等裁判所 昭和39年(ラ)712号 決定
抗告人が本件更生計画に定める事項を変更する必要があるとして主張した事由は、要するに、債権者等は第二回関係人集会において管財人から、会社財産の適正な価格を下廻る評価に基き、且更生会社と特殊な関係にある一部債権者による債権の放棄を偽装して作成された計画案について説明を受けた為、会社財産の現状についての認識を誤つた結果第三回関係人集会において右計画案を可決し、これに基いて本件更生計画認可の決定がなされるに至つたのであるが、この更生計画においては会社の利益のみが偏重され、債権者に過重の犠牲を強いる結果となつているというのであるところ、右更生計画案に抗告人主張のような瑕疵があつたとのことはこれを認めるに足る資料がないばかりでなく、抗告人主張のような事情は更生計画に定める事項の変更を必要とする事由には該らないものと解するのを相当とする。即ち、会社更生法第二百七十一条の趣旨とするところは、更生計画認可の決定があつた後に生じた事情の変更によつて計画の遂行が不可能又は困難となつた場合に計画の一部を変更することによつて会社更生の目的の実現を可能にする道を開いたものであつて、更生計画認可の決定がなされる以前から既に存した事情の如きは利害関係人がこれに基いて更生計画案の修正を申立て、又はこれを理由として更生計画認可の決定に対し不服を申立てることは格別、これをもつて更生計画の一部の変更を申立てる事由とすることはできないのである。
(毛利野 平賀 安国)