東京高等裁判所 昭和39年(行ケ)3号 判決
以下は、判例タイムズに掲載された記事をそのまま収録しています。オリジナルの判決文ではありません。
〔判決理由〕(審決を取り消すべき事由の有無について)
二 本件審決が、原告主張のとおり、「この種パットの材料として合成樹脂製スポンジや合成ゴム製スポンジのような弾性体材料を用いることが本出願前から周知であることは、原査定で説示しているとおりである」としていることは、当事者間に争いがなく、また、成立に争いのない甲第四号証によれば、本願に関する拒絶査定においては、「合成樹脂スポンジでパットを形成することは、この出願前より極めて普通であり」と説示していることが明らかである。原告は、本件審決が何ら具体的事実を示すことなく右のように認定したことを審理不尽であると非難するが、本件審決の右認定の事実は、成立に争いのない乙第二号証及び本件口頭弁論の全趣旨から、これを肯認することができる。すなわち、この種パットの材料として軟質多孔性の天然ゴム製スポンジを用いることが本願考案の出願当時すでに周知であつたことは、たとえば前掲乙第二号証にみるように明らかなことであり(前掲乙第二号証のものが軟質多孔性ゴム製肩台であり、材質において本願考案の材料と均等物より成るものであることは、原告の認めて争わないところである。)、また、当時、すでに合成ゴム製スポンジ類が天然ゴム製スポンジと並んで使用されていたことも、本件口頭弁論の全趣旨から明らかなところである。したがつて、本件審決の前記認定に対する原告の非難は当を得ないものといわざるをえない。原告は、実用上の利点を挙げて本願考案のパットは右乙第二号証のものと類似ではない旨主張するが、このような主張は、本件審決の認定と、いささかもかかわりのないものであることは、いうまでもない。(三宅正雄 影山勇 荒木秀一)