大判例

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東京高等裁判所 昭和39年(行ケ)53号 判決

以下は、判例タイムズに掲載された記事をそのまま収録しています。オリジナルの判決文ではありません。

〔判決理由〕(本件審決を取り消すべき事由の有無について)

二 原告は、本願考案は、引用例のもの及び周知の織布製ポケットに比し、優れた効果を有するから、新規性を有する旨主張するが、この主張は、理由がないものといわざるをえない。すなわち、引用例のものがその構造からみて、周知の織布製ポケットの底部を引用例の網片で形成した本願考案のポケットに比し、原告の指摘するような欠点を有することは、両者の構成から容易に肯認しうるところであるが、このような欠点は、ポケット袋体の底部を除く他の部分を周知の織布製とすることにより十分これを補いうることも、周知の織布製ポケットの構成から、容易に窺知しうるところであるから、本願考案の有する原告主張の効果なるものは、結局、引用例のもの及び周知の織布製ポケットのそれぞれが有する効果を加え合わせたものにすぎないとみるを相当とする。

原告は、本願実用新案のものが、新規性を有することは、本件出願以前、内外の市場に現われなかつたこと、及びその実施品が、フランスあるいはイタリーにおいて好評を博している事実に徴して明らかである旨主張するが、仮にそのような事実があるとしても、そのことから直ちに原告主張の結論を導き出すことができないことは、いうまでもないから、原告の右主張は、もとより採用の限りではない。

(むすび)

三 叙上のとおりであるから、その主張の点に判断を誤つたことを理由に、本件審決の取消を求める原告の本訴請求は、理由がないものというほかはない。よつて、これを棄却する。

(三宅正雄 武居二郎 友納治夫)

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