大判例

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東京高等裁判所 昭和40年(ツ)131号 判決

本件記録によれば、上告人らは第一審の第一回口頭弁論期日に、本件賃貸借契約が一時使用のためのものであることを認めていたのを、同第三回の口頭弁論期日に右陳述を撤回し、被上告人代理人は右撤回は自白の撤回であるとして異議を述べている。原判決の記載によれば、右撤回は自白の撤回には該当しないとして、証拠に基いて、本件賃貸借が一時使用のものであることを認定しているのである。原判決に掲記されている諸証拠によれば、右認定の事実は十分認めることができるし、右認定は経験則に反するものでもないから、原判決には上告人ら主張のような違法はなく、上告人等の援用する判例は本件に適切なものではない。しかしながら、土地の賃貸借契約が一時使用のものであるかどうかは、借地法に規定されているように、借地法の一部の規定の適用があるかどうかという法律上の効果に差異を生ずるのであるから、一時使用のものであるかどうかという事実は、いわゆる主要事実であつて自白の対象になり、その自白には裁判所も拘束されるのである。従つて、原審の本件賃貸借が一時使用のものであることを認めたことが自白でないとした右判断は、誤まつているといわなければならない。原審は上告人等の自白の撤回が有効かどうかについては、直接には判断していないが、原審が、適法に、本件賃貸借が一時使用のためであることを認定している以上、撤回の効力がないといわなければならない。そうであるから、自白の点について判断を誤つたかしは、結局において主文の判断にはなんの影響はないといわなければならないから、上告人の主張も採用できない。

(村松 江尻 吉野)

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