東京高等裁判所 昭和40年(ネ)1419号 判決
上記認定の事実によれば、被控訴人野村達美は、自動車を運転して車輛の往来頻繁な道路を直進中、反対方向に向うため転回しようとしたのであるから、他の車輛等の正常な交通を妨害しないよう注意し、いつたん停車して待機するか、やむを得ず進行しながら転回するとしても後続車の有無を確かめ、後続車がある場合にはこれとの間に十分の間隔をとり、危険のないことを見定めたうえで、転回すべきであつたというべく、このような注意を怠り、バツクミラーを一瞥しただけで原告車に気付かず、漫然後続車がないものと軽信し、たんに方向指示器を点滅したのみで転回を開始したのは、反対方向に進む路面の状況のみに注意を奪われ、後方確認の注意義務を懈怠したものと認められる。
(村松 江尻 兼築)