大判例

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東京高等裁判所 昭和40年(行ケ)60号 判決

以下は、判例タイムズに掲載された記事をそのまま収録しています。オリジナルの判決文ではありません。

〔判決理由〕(本件審決を取り消すべき事由の有無について)

二、原告は、本願発明においては、(1)垂直軸を有する調節ねじが針筒釜のため套面上に目盛を有し、かつ、(2)水平軸を有する調節ねじがリップニードル釜の端面に目盛を有し、したがつて、相付属する二つの調節ねじの四つの目盛が一覧できる方向に位置している、という引用例にない構造をもつて、当業者の容易に考えうべき設計事項であるとしたことをもつて、判断を誤つたものである旨主張するが、原告のこの主張は、理由がないものといわざるをえないすなわち、当事者間に争いのない本願発明の要旨と引用例の記載内容を対比すると、本願発明における右の構造は原告主張のとおり、引用例にないものであることが明らかであり、この構造により、原告主張のような効果を挙げうるであろうことは一般技術常識から、推測に難くないところであるが、前掲本願発明の要旨に原告の認めて争わない引用例記載の構造、とくに、その記載のような目盛表示装置を有するメージャールーレット並びにメリヤス機械において針筒釜及びリップニードル釜の調節ナット又は調節ボルトの周囲に目盛を設けることが、いずれも本願出願前公知であつた事実を参酌考量すると、このような公知技術の存在下において、本願発明におけるように、相付属する二つの調節ねじの四つの目盛を一覧できる方向に位置するように設けることは、使用者の便宜を考慮して、当業者が容易に選定しうべき設計上の事項に属するとみるを相当とし、これを左右するに足る資料はない(本件に現われた証拠関係のもとにおいては、このような構造をとるについて克服しなければならない技術的困難性があつたことは窺知しうべくもないし、この構造のもたらす作用効果なるものも、そのような構造をとつた場合の通常生ずべきものであり、格別顕著なものと認めることはできない。)。したがつて本件審決が、本願発明における目盛位置の定め方は、原告主張の点を含めて、当業者の容易に選定しうべき設計上の問題にすぎないとしたことは、その説示の表現に不備の点なしとしないが、結局、正当であり、この点に違法ありとすることはできないといわざるをえない。

(むすび)

叙上のとおり、その主張の点に違法のあることを理由に本件審決の取消を求める原告の本訴請求は、理由がないものというほかはないから、これを棄却する。

(服部高顕 三宅正雄 石沢健)

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