東京高等裁判所 昭和41年(ツ)54号 判決
右原判決の認定事実によれば、本件賃貸借契約が締結された当時、渡辺正は渡辺イトから本件土地の管理を委託されていたものと認めるのが相当である。土地の管理を委託された者は、特段の事情がない限り、当該土地の管理のため第三者と法律行為をなす代理権の授与を受けたものと解すべきであるから、渡辺正は本件土地の管理のため第三者と法律行為をなす代理権を有していたものというべきである。ところで、渡辺正の右代理権につき、その権限の範囲が特定されていたことについては、原判決はなにも確定していないから、渡辺正は本件土地につき民法第一〇三条に定める行為をなす代理権限を有していたものというべきところ、管理を委託された土地を他に賃貸することは、同条第二号にいわゆる利用行為に含まれると解すべきであるから、渡辺正は本件土地を他に賃貸する権限を有していたものといわなければならない。
(村松 土井 兼築)