大判例

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東京高等裁判所 昭和41年(ラ)490号 決定

次に、抗告人主張の停止条件付賃借権の掲記の要否について考えるに、本件記録中の本件土地、建物の登記簿謄本によれば、本件土地、建物につき本件抵当権設定登記後いずれも長谷川幸次郎のため昭和三九年一二月一一日受付第四四八四三号をもつて昭和三九年一二月一〇日付設定契約に基き借賃は本件土地につき一カ月金三〇〇円、本件建物につき一カ月金二、〇〇〇円毎月末日払、存続期間三年という停止条件付賃借権設定の仮登記が経由されていることを認めることができるが、前記賃貸借取調報告書及び本件競売期日の公告にはその点の掲記はなにもない。

しかし、民事訴訟法第六五八条第三号に基く競売期日の公告に掲げるべき賃貸借は、抵当権者並びに競落人に対抗しうべきものに限ると解すべきところ仮登記は本登記の順位保全の効力があるにとどまりそれ自体では物権の変動を第三者に対抗する効力を有するわけでないから、仮に右停止条件付賃借権が登記簿記載のように設定されたとしても右停止条件が成就して賃借権が発生し、かつ右仮登記に基く本登記を経ない以上これをもつて抵当権者並びに競落人に対抗すべき賃貸借あるものとすることができないのであり、従つてかような賃貸借は競売期日の公告に掲記すべき事項でないといわなければならない。

(浅沼 間中 柏原)

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