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東京高等裁判所 昭和41年(行ケ)120号 判決

一 本件に関する特許庁における手続の経緯、本願発明の要旨および本件審決理由の要点が、いずれも原告主張のとおりであることは、当事者間に争いがない。

二 そこで、本件審決を取り消すべき事由の有無について検討する。

1 原告主張の四(一)の1および(二)の1の点について。

本願発明の要旨によれば、本願発明は、材料として熱可塑性材料を用いているものであり、成立に争いのない甲第一三号証の二(本願発明の訂正明細書)には「本発明において使用する熱可塑性粉末材料はオフレインを置換した又は置換しない重合によつて得た線状重合体であり、ポリエチレンをはじめ、ポリプロピレン、ポリビニルクロライド、ポリビニリデンクロライドを用いることができる。」旨記載されており、かつ、実施例において用いられる原料は、ポリエチレン粉末、ポリプロピレン粉末、ポリカーボネートの粉末が記載されていることが認められる。したがつて、本願発明における熱可塑性材料とは、少なくとも合成樹脂に関するかぎりは、重合ずみの熱可塑性合成樹脂であつて、未重合の酸エステルを含まないものと認めるのが相当である。

次に、当事者間に争いのない引用例の記載および成立に争いのない甲第三号証(引用例)によると、引用例における原料としては、諸種の合成樹脂エステルがあげられ、メタアクリル酸エステルがその実施例として示されていることが認められる。

そこで、引用例にいう合成樹脂エステルの意義について検討するに、前記甲第三号証によると「発明の詳細なる説明」の項において、「本発明は原料たる諸種の合成樹脂エステルを硝子若しくは金属又は其の他の材料を以て造り所要の形状を付与する型容器中に入れ加熱しつつこの容器に回転運動と同時に其の回転運動に直角の方向の軸の廻りの振巾一八〇度又は三六〇度のロツキング運動を与へ原料の自重及び運動力の作用に依り容器の内面に付着重合継目無しの中空体を生ぜしめ前述の欠点を除けり」なる記載があることが認められ、また、前記甲第三号証によると「特許請求の範囲」の項において、審決認定の引用例の記載と同一の記載があることが明らかであつて、これらの記載と、当事者間に争いのない事実である引用例における唯一の実施例としてあげられているメタアクリル酸エステルが未重合の単量体の酸エステルであつて、エステル構造を有する重合ずみの合成樹脂ではないことにかんがみれば、引用例にいう合成樹脂エステルとは、重合した場合に合成樹脂となる単量体中に酸のエステルを含有するものを指すものと解するのが相当である。

したがつて、本願発明にいう熱可塑性材料と引用例にいう合成樹脂エステルとは相違するものというべきである。

原告は、審決が引用例においても熱可塑性材料が使用されているとしたのは、引用例の材料の認定を誤つたものである旨主張する。

審決が、引用例においては、材料として「熱可塑性材料」が使用されている旨説示していることは、当事者間に争いがない。しかし、同時に審決は、本願発明に使用された材料と引用例に使用された材料とを対比して、本願発明にあつては微粉末または微粒子の固体状態のものを使用するに対し、引用例にあつては、合成樹脂エステルを使用し、両者が相違している旨説示し、右の相違を前提に、本願発明の進歩性の有無を判断している(右の事実も、当事者間に争いはない。)。したがつて、審決の右の説示を総合して考案すれば、

審決は、「熱可塑性材料」という表示をもつて、原料をも含めて熱可塑しうる材料を意味するものとして用いたものと解するを相当とする。それ故、審決の右の説示をもつて、審決が、引用例の材料の認定を誤つたものということはできない。そして、前記甲第三号証および第一三号証の二に照らせば,引用例の材料である合成樹脂エステルは液状の単量体であり、本願発明の材料は微粉末又は微粒子状の重合体である相違はあるにしても、成形品を製造する過程において、前者は液状のものが重合作用を経て固体化するに対し、後者も融解によりいつたん液状化したうえ固体化するものであることは明らかである。そして、重合作用に製品の厚さの均一性や所望の厚さを得ることを妨げる作用があることを認めるに足りる証拠はないから、前記甲第一三号証の二によるも、本願発明と引用例における右の材料の相違が、製品の厚さの程度、均一性に相違を生ぜしめると解する理由に乏しく、本願発明における材料の相違が引用例にくらべて格段の作用効果をもたらすものと認めることはできない。以上の諸点にかんがみれば、本願発明と引用例における材料の性質の相違が両者の技術分野を異ならしめるものということはできず、右事実に、当事者間に争いのないところの一般に熱可塑性合成樹脂製品の成形に当つて熱可塑性材料として微粉末又は微粒子を使用することが周知である事実を総合すれば、引用例にいう単量体たる合成樹脂エステルにかえて本願発明の材料たる重合体を使用することは、当業者において容易に実施することができるものと認めるを相当とする。それ故、材料の相違を理由に審決の違法をいう原告の主張は、理由がない。

2 原告主張の(一)の2の点について。

本願発明が熱可塑性材料の融解温度以上の温度に型を加熱しながら成形を行なうものであることは、当事者間に争いのないところであり、本願発明のように型内の熱可塑性材料すなわち微粉末または微粒子を加熱融解せしめて、きわめて短時間に成形することは周知である旨の審決の判断は、原告も認めて争わないところである。また、原告の主張する作用効果も、本願発明と引用例との加熱時間の相違によるものと解することはできず、両者の加熱温度の相違が本願発明に格段の作用効果をもたらすものと認めることはできない。したがつて、審決には、原告主張のごとく本願発明と引用例との加熱温度の相違を看過し、その結果、本願発明の進歩性を否定した違法があるものとすることはできない。

3 原告主張の(一)の3および(二)の3の点について。

本願発明における総揺動角度すなわち、その振動の巾が一五〇度以下である事実は、当事者間に争いがない。原告は、引用例においてはその角度は、振巾一八〇度または三六〇度であり、総揺動角度すなわち振動の巾は三六〇度または七二〇度である旨主張する。そこで検討するに、前記甲第三号証(引用例)によれば、その発明の詳細なる説明および特許請求の範囲の項において「回転軸に直角の方向の軸の廻りの振巾一八〇度又は三六〇度のロツキング運動を与へ原料の自重及び運動力の作用により容器の内面に」原料を付着重合せしめる旨の記載がみられる。したがつて、右記載の角度を原告主張のように振動の巾の二分の一をいうものと解すれば、振動の巾は三六〇度または七二〇度となる。しかし、右の型容器の回転は、原料である液状の合成樹脂エステルをその自重および運動力の作用により容器の内面にまんべんなく付着せしめることを目的とするものであることは、右の記載に照らして明らかであるところ、前記甲第三号証の発明の詳細なる説明の項によれば、「前記の回転運動の速度とロツキング運動の速度との組み合わせ方の如何にて容器壁に万遍なく付着せしむる」云々の記載があるから、このような場合、特段の事由のないかぎり、経験則上最大限三六〇度の角度の回転を反復すれば足りるものというべきであつて、引用例の場合において、なお七二〇度の回転角度を要すべきであるとする特段の事由については、前記甲第三号証の記載中これをうかがうことはできない。してみれば、引用例中の前記「振巾一八〇度又は三六〇度」の記載は、全振動の巾一八〇度又は三六〇度を意味するものと解すべきであり、成立に争いない甲第一四号証の二の二の記載をもつてするも、右認定をくつがえすに足りない。そうだとすると、引用例の振動の巾が一八〇度の場合は、本願発明の振動の巾一五〇度とは三〇度の差があるにすぎず、また、揺動角度の選定は、製造すべき物品の形により或程度変化することは経験則上明らかであるから、右の程度の角度の相違によつて、本願発明のものに原告主張のごとき格段の作用効果があるものということはできない。したがつて、この点、当業者が必要に応じ容易に考えることができるものというべきであるから、これと同旨の審決の判断は正当である。

4 原告主張の(二)の2の点について。

審決は、本願発明と引用例のものにおける使用材料の形状の相違点について認定したうえで、本願発明にあつては、熱可塑性固形微粉材料を融解するに充分な温度まで型を加熱する装置を設けているが、引用例においては熱可塑性材料すなわち液状の合成樹脂エステルを加熱する装置を設けている旨説示し、両者についての加熱装置の相違を認定している。

そして、型内の熱可塑性材料を加熱融解せしめて、きわめて短時間に成形することが周知であることは、原告もこれを認めるところであり、前記甲第一三号証の二によるも、原料の相違による加熱温度の相違が加熱装置の構造に格別な相違を生じるものとは認めがたく、したがつて、本願のような装置を設けることも当業者にとつて容易であると認められ、その装置より生ずる原告主張の効果も格別なものということはできない。したがつて、審決に原告主張のごとき違法はない。

5 原告主張の(二)の4の点について。

前記甲第三号証によれば、引用例においては、揺動装置の具体的構成についての記載はみられないが、型容器に回転ならびにロツキング運動を与えるというのであるから、型容器に右のような運動を行なわせるに必要な装置の構造としては、少なくとも型容器に回転軸が設けられ、その回転軸を支持し揺動する装置が必要なものと認められる。してみれば、引用例のこのような支持、揺動の装置にかわるものとして、第二発明の揺動枠をもつてしても、これをもつて、原告主張のごとき材料の性質および揺動角度の相違に由来する構成の相違と認めることはできず、第二発明の右の装置をもつてすることは、当業者にとつて容易に推考することができるものというべきである。したがつて、審決に原告主張のごとき違法はない。

6 原告主張の(三)の点について。

本件審決においては、熱可塑性材料で中空物品を製造する方法において型自身を加熱しながら成形すること、型内の熱可塑性材料を加熱融解させてきわめて短時間に成形すること、ならびに加熱成形した成形品を型より取り出す際にその型を冷却することがいずれも本願出願前に周知であつた事実を認定したうえ、その例示として参照例を挙げていることは当事者間に争いがなく、しかも、右各事項がそれぞれ本願出願当時に周知なものであつた事実は原告の自ら認めるところである。すると、審決が参照例を挙げたのは、それらの事項が周知であることについて単に参考のために示したにすぎないものというべきであり、参照例そのものをもつて引用例と同列におき原告主張のようにこれと引用例とを組み合わせ、または、これらをあわせ引用することにより進歩性判断の根拠としたものと認めることはできない。そうだとすると、たとい原査定において特に参照例を示していないのに、審決においてこれを挙げたとしても、このことにより審決が原査定とは別個の新たな拒絶理由を示したものということはできないから、このような場合には、特許法第一五九条第二項、第五〇条の規定に従い出願人に意見開陳の機会を与える必要はない。したがつて、右手続の必要なことを前提とする原告の主張は理由がなく、審決には原告主張のごとき違法はない。

三 以上のとおりであるから、その主張の点に違法のあることを理由に本件審決の取消を求める原告の本訴請求は、理由がないものといわなければならない。

一 特許庁における手続の経緯

原告は、西暦一九六〇年(昭和三五年)六月七日英国においてした特許出願による優先権に基づき、名称を「熱可塑微粉材で中空成形物品を製造する方法及び装置」とする発明について、昭和三六年六月七日、特許を出願したが、昭和三七年一〇月八日、拒絶査定があつたので、同三八年一月一九日これを不服として審判を請求し、昭和三八年審判第四六八号事件として審理された結果、昭和四一年四月二三日、「本件審判の請求は成り立たない。」との審決があり、その謄本は、同年五月一八日、原告に送達された(出訴期間として、三箇月を付加された。)

二 本願発明の要旨

(一)成形すべき物品の所要外形に相当する内側成形面を有する熱良導性金属製型内に、所要物品の製造に必要な所定量の熱可塑性材料を、微粉末又は微粒子の固定状態で装填し、該型を前記熱可塑性材料の融解温度以上の温度に加熱し、その加熱しつつある間に型を一つの軸の周りに回転すると共に、該回転軸と直角の揺動軸の周りに型を七五度以下の角度範囲で前後に揺動して熱可塑材粉末又は微粒子を略々均一に型の内面上に分撤し、該表面上で之を融解して連続的且順次の層又はフイルムを形成せしめ、次に型を冷却して熱可塑性材料を凝固すると共に収縮せしめ、以て完成物品を型より容易に取外し得る様にすることを特徴とする熱可塑性微粉材料で中空物品を製造する方法。

(二)成形すべき物品の所要外形に相当する内側成形面を有する熱良導性金属製の型と、揺動し得る様装置した揺動枠と、該枠の揺動軸と直角の軸の周りに前記型を回転する様該揺動枠上に型を支持する装置と、前記型を回転する駆動装置と、前記揺動枠及びその上に支持した型を揺動軸の周りに最大七五度の範囲に前後に揺動する装置と、前記型内に装填され型の内側成形面と接触する熱可塑性固形微粉材料を融解するに充分な温度迄該型を加熱する装置とより成ることを特徴とする熱可塑微粉材で中空物品を製造する装置。

三 本件審決理由の要点

本願発明の要旨は、前項掲記のとおりである。

ところで、昭和二七年特許出願公告第四三四三号公報(以下、「引用例」という。)には、諸種の合成樹脂エステルを所要の形状を付与する硝子其の他の型容器に入れ加熱しつつ容器に廻転運動を与えると同時に、廻転軸に直角の方向の軸の廻りの振巾一八〇度又は三六〇度のロツキング運動を与へ、原料の自重及び運動力の作用により、容器の内面に逐次付着重合せしむる事を特徴とする、諸種の合成樹脂を以て種々の形状の継目無し中空体を製造する方法が記載されている。

そこで、本願発明の要旨の一番目に記載された発明(以下、「第一発明」という。)と引用例のものとを対比すると、成形すべき物品の所要外形に相当する内側成形面を有する型内に、所要物品の製造に必要な所定量の熱可塑性材料を装填して加熱し、その加熱しつつある間に、型を一つの軸の周りに回転すると共に、該回転軸と直角の揺動軸の周りに型を前後に揺動して熱可塑性材料をほぼ均一に型の内面上に分撤し、該表面上でこれを連続的かつ、順次の層またはフイルムを形成せしめたことを特徴とする、熱可塑性材料で中空物品を製造する方法である点で、両者は一致する。

しかし、両者は、次の諸点において一応の相違が認められる。すなわち、(a)第一発明においては、その型は熱良導性金属製であつて、この型を熱可塑性材料の融解温度以上の温度に加熱しながら成形を行なうものであるが、引用例の型は、硝子その他の型容器であつて、加熱成形に当つてその型容器自身を加熱するという記載はない。(b)第一発明においては、熱可塑性材料は微粉末または微粒子の固体状態のものを使用するが、引用例は、合成樹脂エステルを使用している。(c)第一発明は、型を回転軸と直角の揺動軸の周りに、七五度以下の角度範囲で前後に揺動しているが、引用例のものは、一八〇度または三六〇度のロツキング運動を与えている。(d)第一発明においては、型より完成品を取り外すに当つて、型を冷却して熱可塑性材料を凝固すると共に、収縮させて完成品を容易に取り外しうるようにしているが、引用例にはそのような記載がない。

そこで、これらの相違点について検討する。

(a)および(b)点について。この種の熱可塑性材料で中空物品を製造する方法において、型自身を加熱しながら成形することは、本願出題前から周知であり(昭和三三年特許出願公告第五四三〇号公報(以下「参照例」という。)参照)、したがつて、型に熱良導性金属を使用することは、当業者が容易に実施することができるものと認められる。また、

一般に、熱可塑性合成樹脂製品の成形に当つて、熱可塑性材料として微粉末または、微粒子を使用することは、きわめて周知である。さらに、第一発明のように、型内の熱可塑性材料を加熱融解させて、きわめて短時間に成形することも周知である(参照例参照)。(c)点について。その揺動角度は、成形の際成形品の形状、その材料の性質その他により適宜撰定しうる程度のものであり、また、第一発明においてその角度を七五度以下に限定したことによつて、とくに格別の作用効果のあることは認められないから、この点は、当業者が必要に応じて容易に実施することができるものと認められる。(d)点について。加熱成形した成形品を型より取り出す際に、その型を冷却することも周知の技術手段であつて(参照例参照)、その際、熱可塑性材料が凝固または収縮すること、ならびに完成物品を型より容易に取り外しうることは、冷却による当然の現象である。

したがつて、第一発明は、引用例および右に述べた周知の事実に基づいて、当業者が容易に実施することができるものと認められる。

次に、本願発明の要旨の第二番目に記載された発明(以下、「第二発明」という。)と引用例とを対比してみると、成形すべき物品の所要外形に相当する内側成形面を有する型と、揺動しうるよう装置した揺動装置(引用例においては、回転軸に直角の方向の軸のまわりの振巾一八〇度または、三六〇度のロツキング運動を与えるようこれを支持する装置)

と、該枠と揺動軸と直角の軸の周りに前記型を回転するようにした装置(引用例においては、容器に回転運動を与える装置)と、前記型を回転する駆動装置と、前記揺動枠およびその上に支持した型を揺動軸の周りに揺動する装置と、前記型内に装填され型の内側成形面と接触する熱可塑性材料を加熱する装置とよりなることを特徴とする、熱可塑材で中空物品を製造する装置である点で、両者は一致する。

しかし、(aダッシュ)第二発明においては、その型は熱良導性金属製であるが、引用例の型は硝子その他の型容器である。(bダッシュ)第二発明においては、その上に型を支持する揺動枠を揺動しうるよう装置し、該枠の揺動軸と直角の軸の周りに型を回転するよう該枠上に型を支持する装置と、揺動枠およびその上に支持した型を揺動軸の周りに最大七五度の範囲に前後に揺動する装置を設けているが、引用例は、単に容器に回転運動ならびにロツキング運動を与えるという記載のみであり、しかも、そのロツキング運動の振巾は一八〇度または三六〇度となつている。(cダッシュ)第二発明においては、熱可塑性固定微粉材料を融解するに充分な温度まで型を加熱する装置を設けているが、引用例においては、熱可塑性材料を加熱する装置を設けているという相違が一応認められる。

そこで、これらの相違点について検討する。 (aダッシュ)点について。第一発明と引用例との対比における相違点(a)および(b)点の前段において述べたところと同じ理由により、当業者が容易に実施することができるものと認められる。(bダッシュ)点について。第二発明のように、回転する型を支持する揺動枠を揺動せしめても、また、引用例のように、容器自体に回転ならびにロツキング運動(揺動)を与えるようにしても、この相違は、単なる機構上の問題であつて、型を回転および揺動させて熱可塑性材料で中空品を製造するという作用効果においては、格別差異があるとは認められない。また、引用例においても、回転およびロツキング運動をする容器自体を支持する容器支持部を有することは明白である。この支持部の代りに第二発明の揺動枠をもつてすることは、当業者が容易に実施することができるものと認められる。さらに、その揺動角度の差異については、前述した第一発明と引用例との相違点(c)において述べたと同じ理由により、この点も、当業者が容易に実施することができるものと認める。(cダッシュ)点について。前述した第一発明と引用例との相違点(a)および(b)の後段において述べたとおり、周知である。

したがつて、第二発明は、引用例および右に述べた周知の事実に基づいて、当業者が容易に実施することができるものと認められる。

それゆえ、本願発明は、特許法第二九条第二項の規定により、特許を受けることができない。

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