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東京高等裁判所 昭和41年(行コ)13号 判決 1974年12月08日

横浜市戸塚区汲沢町二三二一番地

控訴人

合資会社 魚勝商店

右代表者無限責任社員

平田勝太郎

右訴訟代理人弁護士

増本一彦

畑山穰

右増本一彦訴訟復代理人弁護士

佐藤卓也

川又昭

武下人志

横浜市保土ケ谷区帷子町二の六四

(旧名称戸塚税務署)

被控訴人

保土ケ谷税務署長

飯島寿三郎

右指定代理人

筧康生

野崎悦宏

佐々木宏中

馬淵春吉

岡崎栄

中川昌泰

小林守

右当事者間の異議申立棄却決定取消請求控訴事件について、当裁判所は次のとおり判決する。

主文

原判決を取消す。

本件を横浜地方裁判所に差戻す。

事実

控訴代理人は「原判決を取消す。被控訴人が控訴人に対し、昭和三九年六月二六日でなした、昭和三七年三月一日から昭和三八年二月二八日までの事業年度分法人税額等の更正処分(以下「原処分」という。)に対する異議申立棄却決定(以下「原決定」という。)を取消す。訴訟費用は第一、二審ともに被控訴人の負担とする。」との判決を求め、被控訴代理人は「本件控訴を棄却する。控訴費用は控訴人の負担とする。」との判決を求めた。

当事者双方の事実上の陳述および証拠の関係は、原判決事実摘示のとおりである(但し、原判決二丁裏四行目の「昭和三八年」を「昭和三九年」と訂正する。)から、これを引用する。

理由

本件訴の適否について按ずるに、異議決定の理由附記に不備がある場合には該決定に固有の瑕疵があるものとして異議決定取消の訴を提起することができ、審査請求棄却の裁決に適法な理由附記があつたとしても、これによつて異議決定の右瑕疵は当然には治癒されるものでなく、また、異議決定が判決で取消された場合には昭和四五年法律第八号による改正前の国税通則法第八〇条第一項第一号は適用されず異議決定庁が独自の審理判断に基づき自ら原処分を取消変更することを妨げないから、かかる可能性が全く否定されないかぎり異議申立人は異議決定庁による原処分の取消変更を求める利益を有するものというべく、したがつて異議決定の取消を求める訴の利益は失なわないものと解すべきである(その理由については最高裁判所判決昭和四九年七月一日言渡昭和四二年(行ツ)第七号、同昭和四九年七月一九日言渡昭和四四年(行ツ)第六八号参照。)。

そうすると、本件訴の利益を否定し不適法としてこれを却下した原判決は取消を免れないから、民事訴訟法第三八八条に則り主文のとおり判決する。

(裁判長判事 古山宏 判事 青山達 判事 小谷卓男)

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