大判例

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東京高等裁判所 昭和42年(ネ)2594号 判決

不動産に関し、処分禁止の仮処分命令を得、その旨の登記の経由をみている仮処分債権者が、後日、右仮処分の被保全権利を確定判決によつて肯認され、当該不動産について権利者としての登記まで経由した以上、右仮処分の登記におくれる、当該不動産についての、右権利と両立し得ない権利を取得している登記名義人は、すべて右仮処分の対抗を受け、仮処分債権者において否認するかぎり、その権利取得を仮処分債権者に対して主張し得ないものと解するを相当とするところ、被控訴人ら両名が、昭和三十六年七月十七日、本件物件の所有権は同人らに属するものであると主張して、登記簿上の所有名義人訴外石田芳助を仮処分債務者として、東京地方裁判所から本件物件につき処分禁止の仮処分決定を得、同日、東京法務局文京出張所受付第一一〇二六号をもつて、その旨の登記の経由をみていること、被控訴人両名が、右石田芳助を相手方として、本件物件の所有権移転登記手続請求の訴を提起したところ、東京高等裁判所は、昭和四十一年八月三十日「石田芳助は、被控訴人ら両名に対し、本件物件につき、その共有持分を各二分の一とする所有権移転登記手続をせよ」との(控訴)判決を言渡し右判決が確定したこと、右確定判決に基づいて、被控訴人ら両名に本件物件の所有権移転登記が経由したこと、および、控訴人が上記仮処分の登記後である昭和四十一年五月六日本件物件につき、当時の登記簿上の所有名義人石田芳助から、被控訴人らにおいてその抹消手続を求めているところの、本件根抵当権設定の仮登記所有権移転請求権保全の仮登記および賃借権設定の仮登記をうけたこと、以上の各事実については当事者間に争いがないから控訴人は、被控訴人らに対して、その本訴において抹消を求められている上記各仮登記を主張し得ざるものであること明らかである。

(毛利野 石田哲 矢ケ崎)

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