東京高等裁判所 昭和43年(ウ)923号 命令
申請人 宮村繁男 外二名
〔抄 録〕
株式会社藤井製作所の定款には、取締役の員数の最低限は規定されていないので、その必要とされる最低員数は法定の三名というべきところ、村上等こと宮村繁男が取締役たる地位を有しないとすれば、同会社には現在、商法第二五八条第一項の規定による職務執行の権利義務を有する取締役として、昭和二〇年五月二五日就任の西村正喜および昭和二一年一二月二日就任の市川和命こと市川知命の両名がすることになり、さらに同条第二項の規定に基く仮取締役として昭和四三年一月一二日横浜地方裁判所川崎支部において選任された橋浦彦三がいるので、同会社の取締役の員数は合計三名となり、取締役会を開いて意思決定をなし得る状況にあり、したがつて、代表取締役の選任も可能であること、のみならず右三名のうち西村、市川の二名は、深く考えないまま宮村が前記訴を提起することに同意したが、第一審判決に対し控訴することには同意せず、控訴をしないように宮村に申入れた旨当裁判所において証人として証言している次第で、橋浦がひとり控訴の維持を望んだとしても、株式会社藤井製作所の取締役会が開かれたならば、控訴取下等の方法により訴訟の追行をとりやめる決議がなされるに至るであろうことはみやすいところであることが認められる。
右のような事情のもとにあつては、訴訟追行のため特別代理人を選任するの必要をみない。
(古山)