大判例

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東京高等裁判所 昭和43年(ネ)1617号 判決

ところで、詐欺をした者から目的物を善意で転得した者がその所有権取得について対抗要件を備えているときは、この者に対して詐欺による取消の結果を対抗しえないが、目的物の所有権を取得せずにその物についての債権を有するだけの場合およびその所有権を取得した場合でも対抗要件を備えないときは、右転得者はいまだ排他的な権利を取得したものではないから、この者に対しては詐欺による取消の結果を対抗しうると解するのが相当である。本件についてみるに、本件(一)ないし(五)の土地については、前叙のとおり、被控訴会社は取消の意思表示以前にその所有権を取得し、かつ所有権移転登記を経由しているから、控訴人は右取消をもつて被控訴会社に対抗しえないといわなければならないが、本件(六)の土地については、その地目が畑であつたところから被控訴会社はもとより大起建設もその所有権を取得しているとはいいがたく、たんにその移転請求権を取得しているにすぎないし、かりにその現況のいかんにより右各所有権の移転が実現しているとしても、前叙のとおり被控訴会社は大起建設名義の所有権移転仮登記上の権利移転の付記登記を経ているだけであつて所有権取得の対抗要件を備えている者ではないから、控訴人は右詐欺による取消の結果を対抗することができるといわなければならない。

(小川 小林 川口)

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